rails to Niigata
Sun MicrosystemsでJRubyを開発しているCharles Nutterさんのブログ"Headius"に、Microsoftが主催する言語開発者のためのシンポジウム"Lang.NET"に参加したことがかいてありました。
このシンポジウムは、Microsoftが主催していることでも分かるとおり、もちろん.NET framework上への言語実装を行っている人たちが中心のイベントですが、JavaやPHPの人たちも参加していたり、MicrosoftのSilverlightをLinux上のMonoを使って移植しているMoonlightの開発者が参加していたり、異なるプラットフォーム上の言語開発者の交流の場となっているようです。
NutterさんとJohn Roseさんは、JVM上でのJRubyの実装についての講演を行ったようですが、MicrosoftがDLRでやろうとしている言語を問わない構文木の動的な最適化手法に興味を持っているようです。もっとも、すでにJVMでは動的な最適化の機能が組み込まれているため、すぐにどうのこうのということはないようですが。
このLang.NETについては、MicrosoftでIronRubyを開発中のJohn Lamさんもブログに記事をかいていました。
前回Lang.NETが開催された時には、ゲストとして参加したのだけれど、今回は主催者側での参加になった。いろいろな言語開発者が自分たちのやっていることについて話し、それについて別の開発者が意見をいうという交流が持てるのは非常にうれしいことだという趣旨の事がかいてありました。
最近のLamさんのブログには、IronRubyの進捗状況がかかれていないので、検索をしていたところ、InfoQに今年の1月に行われたインタビュー記事が目に止まりました。Lamさんのブログに短く紹介されていたものの未読だったインタビューです。
The State of IronRuby with John Lam
この記事によると、IronRuby"1.0"のリリース目標は「2008年後半」だそうですが、2008年の第1四半期はSilverlight2.0のベータ(アルファ?)とともに、リリースが予定されているそうです。非常に楽しみになってきました。ただし、開発している方は、DLRやSilverlightも並行開発中で、時々仕様が変わるので同期をとるのが大変だそうです。
また、Ruby on Railsを動作させることは目標にあるのかとインタビュアーに聞かれて、「もちろんだ。Railsは"1.0"を出すための重要な要素だ」と答えていました。一部には「Microsoftは自分たちのASP.NETと競合するRailsをサポートするつもりはなく、SilverlightのためにIronRubyを作っているだけだ」との見かたもありましたが、状況は変わっているようです。Microsoft自身もASP.NET用のMVCフレームワークをリリースしていますし。
Microsoft ASP.NET 3.5 Extensions Preview
ところで、Lamさんのインタビューで一番驚いたのは、IronRubyのコントリビュータにCharles Nutterさんの名前があるという話しが出ていたからです。Nutterさんは、JRubyをJVM上に実装する際の経験を色々と伝授してくれているのだそうです。
Lang.NETの感想をまとめたブログエントリをかいたTed Newardさんも「SunとMicrosoftの連中が、汚いホワイトペーパーの応酬なしに言語実装について議論しているのを見るのは新鮮な感じがする」といっていますが、Rubyがその仲介になっている気がします。さすが「愛があるRuby」だ。
Highlights of the Lang.NET Symposium, Day One
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